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2005.06.26 (Sun)

『甘い人生』を観て

スタイリッシュで細身のスーツに身を包み、立ち振るまいがビシッと決まっていて、メガネこそかけていないけれど煙草をはさんだ細い指がグッとくるけど・・・萌えない!なんで~?(笑)別にいいんですけどね。

イ・ビョンホンが自身の「代表作」と言っている『甘い人生』。ずいぶんと遅くなりましたがやっとこさ観てまいりました。
見終わった時、何故かリンカーンの言葉を思い浮かべました。
「ビョンホンのビョンホンによるビョンホンの為の映画」
これは決して非難しているのではなく、彼のある一面を余すところなく表現した「代表作」だと思います。ええホントに。

頭が切れて情に溺れない冷静沈着なソヌ(イ・ビョンホン)は、社長であり裏社会を仕切るボス・カン社長(キム・ヨンチョル)の絶大なる信頼を得て7年でホテルクラウンのマネージャーに上り詰めた。
トラブルがあってもテキパキと「処理」をするソヌ。ホテルのスカイラウンジでガトーショコラを食べ、エスプレッソに砂糖を1つ入れて飲む。そんな彼の約束された人生がある日破滅へと転がり落ちていく。

カン社長には若い愛人・ヒス(シン・ミナ)がいます。彼女の浮気を疑う社長は、ソヌに自分の出張中のヒスを見はらせ、男がいるならカタをつけるか自分に連絡するよう言い渡します。案の定、ヒスには男がいてソヌは2人がいる現場に踏み込み男を痛めつける。肩を震わせ男を庇うヒスを目の前にして、ソヌはボスに連絡しようとします。けれど出来なかった。
ソヌはヒスに恋したのか?
ソヌがヒスに呼び出されて食事をし、チェリストであるヒスのレコーディングをブースから見るシーンがあります。演奏が始まる前、背後の譜面台が倒れて、まるで銃声のようなその音に一瞬身をかたくするソヌ。彼の生きてきた世界がそこにあります。一方、チェロから奏でられる美しく哀愁を帯びたメロディーは、ソヌが今まで知り得なかった世界を見せます。こんな世界があるんだ。
ヒスは今まで社長や自分の周りにいた女性とは、まるでタイプは違ったのかもしれない。ソヌを「おじさん!」と呼び、若い事になんのてらいもなく、ある種無防備なヒスを、ソヌは自分が気付かないだけで興味を持っていたのかも知れない(ってことは恋じゃん!苦笑)でもソヌは始めて知ったこの世界を、気付かぬうちに微笑んでしまっていたこの穏やかで柔らかい世界を、ただホンの少し大切にしたかった。その案内人になるヒスを生かしておきたかった。ただそれだけ。恋じゃない。私はそう思います。

冒頭の「揺れているのは柳の枝でもなく風でもなくお前の心だ」という禅問答のようなモノローグ。この物語で揺れていたのはソヌの心と言うよりは「カン社長の心」だと思うんですけど・・・
「年を取ると忍耐がなくなる」と社長はいいます。人生の残りの時間が見えてきて、焦り・不安・孤独、そして若さへの嫉妬。社長は何度もソヌに問いかけます。「あの女にほれたのか」そう問われる度にソヌはますます訳がわからなくなり結局沈黙で答えてしまう。どんな時も信頼を寄せていたソヌのこの態度が、社長の心を揺らせ続け、引き返せない破滅への道へ突き進ませてしまった。可愛さ余って憎さ百倍って感じ?ですかね。

クライマックスのスカイラウンジの銃撃戦。
正直、何もそこまでやらなくても・・・と思いながら見てました。だって撃たれても撃たれても不死鳥のように立ち上がり反撃するソヌ。ま、弾がマトモにあたってないってのが理由かとは思うんだけど(苦笑)
ここでソヌは社長と向き合い聞きます。「何故あんな事をした!あんたの下で7年もの間、犬のように使えて働いてきたのに。何故だ!」
自分が制裁され死に追い詰められた理由が最後までわからないソヌ。
社長にとってはヒスは単なるきっかけ(だからヒスは妖艶な大人の女風じゃなくてシン・ミナで正解だと思ってます)。今となってはソヌ自身が自分の心を揺らし続け、不安や焦りを増幅させる。だから始末したかった。でもそれを認めることはプライドが許さない。だから最後まで聞いたんだと思います「あの女にほれたのか」と。この受け取り方、ダメ?(苦笑)

ソヌは薄れゆく意識の中で思いだします。全てが巧くいっていたあの頃。ソウルを一望するスカイラウンジでガトーショコラを食べ、角砂糖1個入れたエスプレッソを飲む。気分がいい。ガラスに向かってシャドーボクシングをするソヌ。ガラスに写るソヌは自信に溢れて、手に入れられないものなどない。けれどガラスに向かって打ち込んだジョブは自らを打ち砕いてしまった。
エンドロールの後、スカイラウンジのプレート「La Doice Vita(甘い生活)」は銃声の音と共にくだけ散ります。
最初からそんなものなんてなかったかのように・・・

こんなところでしょか。この映画を見ての感想。って感想になってないかも(苦笑)裏社会の暴力一辺倒だけじゃなくて、適度に笑い所もちりばめて(ソヌと銃密売人とのやり取りとか)あったし、うん、笑わないクールなビョンホン氏もよかったですよ。萌えないけど、ってしつこい!(苦笑)

ただ、ラストのワンシーンがちょっとわからない。意識が薄れていくなかでソヌはヒスの携帯を呼び出します。力を無くした手から落ちる携帯からヒスの声が聞こえます。ソヌは何が言いたかったんでしょう。「赤いスタンド気に入った?」かなぁ?
となると、私が否定した「恋心」があったことになる?あれ?(笑)
そういえば宣伝も「人を愛したことのない男が命がけで愛する者を守る」って感じで「愛」を前面に押し出してましたが、違うと思うんだけどなぁ・・・と最後までブツブツ言ってます(笑)


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2005.06.10 (Fri)

黄金の月

未だに「アチャ~なヨンヨンステッカー(と勝手に命名)」をお持ち帰りできずにいます。そのうちなくなっちゃう?

それが原因とは言わないけれど、最近自然と口ずさむ歌に『黄金の月』があります。

  大事な言葉を何度も言おうとして
  吸い込む息は胸の途中でつかえた

  君の願いとぼくの嘘をあわせて
  6月の夜永遠を誓うKISSをしよう

  そして夜空に黄金の月を描こう
  僕にできるだけの光をあつめて

            「黄金の月 by スガシカオ」

何故か勝手にここだけリフレインします(笑)
彼の歌の中でダントツに好きかも知れない。今年のライブでも歌ってくれて、危うくホロリと(泣)しそうになりました(^^;)

神秘さを現す時に「月」ってよく使われます。
まんまるの満月だけじゃなくて、ちょこッと欠けていたり、まるで刃物のように鋭い三日月だったり・・・その時々で形を変える月。
そしてまた、人はその月を見上げることで、心の奥底にある「何か」が目覚めることもあったり・・・する。
そうそう、亜茶のCMでヨンヨン扮する「旅人」は「人とは少し違う力を持っている」という設定だそうです。こういう場合、組み合わせはやっぱり「太陽」じゃなくて「月」なんですよね。それにしても「人と違う力」って何???

そう言えば昔見た映画のなかで「(あんたの)嘘と(あたしの)嘘が混じっていつか本当になる」ってセリフがありました。一瞬でお互いが人生で唯一無二の相手だと感じ、囲われの女を連れて逃げる男(三上博史)。男と女(佳村萌)が月の光のさす山の中を逃げるシーンがやけに妖しかった・・・

  僕の未来に光などなくても
  君の明日がみにくくゆがんでも
  夜空にひかる黄金の月などなくても

彼の声は少しかすれてて、でも聞き取り難いとかじゃなく、聞けば聞く程味があります。スルメのような声(笑)
是非、機会があったら「黄金の月」聞いてみて下さいませ・・・


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2005.06.05 (Sun)

『最悪な人生のためのガイドブック』 を観て

タイトル長っ(苦笑)で上演時間も長っ!休憩はさんで3時間10分・・・
正直、もう少し短くできる内容のお芝居だと思うんですけど。どーでしょう???

お話は・・・
42歳でフリーターのドイッチ(川平慈英)は「会社や未来に縛られるなんてゴメン」という信念のもと、ピザ・アミーゴでアルバイトをしている。ある夜、女性誌ライターのアベコ(キムラ緑子)の部屋へピザを届けに行ったところ、ちょうどアベコは不倫相手のマキ氏(草刈正雄)と電話で別れ話の真っ最中。成りゆきで新しい彼氏になったドイッチ。そこから、バイト仲間のオノッチ(森山未来)とオノッチの彼女のキヨッペ(堀内敬子)、アベコの親友トリコ(三鴨絵里子)など周りを巻き込んでの騒動の行き着く先は。

といった「ミュージカルコメディ」なんですが。
しかし・・・ミュージカル、か?と個人的にはちょっと疑問も付いたりします(苦笑)
踊りがしょぼい(あくまで個人的感想です、はい)から川平さんも森山未来君も踊れるハズ!なんだけど、踊り切れてない・・ように見えたりして。んで、歌は出演者はもちろん歌うけど「トライトーン」というアカペラグループが、要所要所で「歌説明」される構成はさすがに聞いていて楽なんですが、ちょっとクドイ部分もあったりして(説明の説明になってる所とか、ね)

で、内容・・・「人から見たら最悪な人生だけど、でも自分にとっては最高の人生だし、そのために自分だけのルールを見つけたい」というドイッチのセリフがあります。
「何青臭いこと言ってんの!」とちょっぴり心の中で突っ込んでしまう私(だから未だに・・・えっ?苦笑)なので、結構気持的にダレる部分があったのは事実です。
人は生きていくうえで、いろんな選択をしなければなりません。その時その時、精一杯考えて、後で振り返ったらひょっとしたら間違っていた選択になるかもしれないけれど、それでもやっぱり選んで前へ進んで行かないといけないと思うんですよね。

ドイッチは42歳の今まで「自分探し(あえてこう言います)」のために、いつも答えを出さずにやってきた。オノッチのセリフを借りるなら「決めない勇気」だそうです。でも、これって「答えを先延ばしにしている」ことで「決められない弱さ」じゃなかと思うんですよね。自分のことは棚にあげて(だから未だに・・・苦笑)エラソーですが。
迷っても悩んでもそれでも「選ぶ勇気」を持つ大切さ、そして、そうやって選んだものの積み重ねが「人生」なんだと改めて考えさせられたミュージカル?って変なまとめ方(笑)

出演者は、もう観客は大方が「森山未来」目当てと見た!
だって彼が踊ったり、歌ったりすると会場の空気が舞台に集中する感じがした(って私、超能力者?)ホントです!一緒に行った友達は完全にそうだった(^^)
個人的には一番の収穫は「草刈正雄」さんでした(笑)いや、改めて舞台映えするんだぁと感心しきり。「華」ある人って感じでしたね。登場すると一瞬でそのシーンをさらっていった!他の出演者が割と身長低めだったからか、すらっと長身で小顔、若干オーバー気味ですがコメディな仕種が凄く映えて、ええ良かったです。
あとは・・・トリコ役の三鴨さん。私は初見の人だったんですが、アニメ声なんだけどアベコに対してはしっかり者のキャラがぴったりで良かったな。
そうそう主役のドイッチ役の川平慈英。サッカー中継のテンションのまんまです(笑)彼を最初に見たのは確か亜門さんのShowStopperシリーズ「J・キャグニー」だったかと。あの時もテンション高くて「この人何?」と思って見てた記憶がある(笑)全然変わってませんね。というか、もう「キャラ」として確立してるかと。

長かったり、ちょっとクドかったり(失礼!)したけれど、劇場を出たあと自然とメロディが口ずさめたのは、うん、楽しめた証拠ですね、きっと。
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